大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和60(あ)956 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人角田愛次郎の上告趣意は、判例違反をいう点を含め、その実質は事実誤認、

量刑不当の主張であって、適法な上告理由に当たらない。

また、記録を精査しても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない(

本件は、被告人が、競馬、競輪などに狂奔し、金融業者等から借金を重ねてその返

済に苦慮した挙げ句、パチンコ景品買いを営んでいたかねて親交のある被害者A(

六九歳)が、夜間は一人住まいで、多額の景品買入れ資金を手許に保管しているこ

とに目をつけ、兇器用の石塊等を準備した上、深夜右石塊で同人を殺害し、現金約

一二八万円を強取したという極めて悪費な犯行である。動機に酌量の余地はなく、

犯行は計画的であり、殺害の態様は、足が不自由で非力な老人に対し、石塊で頭頂

部を強打し、転倒してもがきながら助けを求める同人の腹部を蹴り上げ、更にとど

めのため、同人の右耳付近を右石塊の角で強打するなどして即死させたもので、甚

だ執拗かつ残酷である。被害者は、もともとは縁のない被告人を信頼して気を許し

ていたものであり、何の落ち度もないのに被告人の身勝手な動機からその生命を奪

われたものであって、本件犯行の結果は重大であり、遺族の被害感情もまた深刻で

ある。加えて、被告人は、かつて深夜共犯者と雑貨商を営む老人宅に侵入して同人

を杉丸太で撲殺し、金品を強取した強盗殺人等の罪により無期懲役に処せられた等

の前科を有し、右無期懲役の仮出獄中に敢行されたのが本件である。以上のような

本件犯行の罪質、動機、態様及び結果、遺族の被害感情、被告人の犯罪歴等に照ら

すと、被告人が現在反省していること、被告人の生育歴等を考慮しても、被告人の

罪責はまことに重大というほかなく、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、

やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。

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よって、同法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の

意見で、主文のとおり判決する。

検察官米澤慶治 公判出席

平成三年二月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 可 部 恒 雄

裁判官 坂 上 壽 夫

裁判官 園 部 逸 夫

裁判官 佐 藤 庄 市 郎

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